以前に反社会的なサイトへの広告について批判した。
「必要悪で終わらせたくない不正コンテンツ」
この記事で指摘した広告主はブランドイメージを気にしないので、広告表示回数を稼げるサイトならどこでもよかった。
「優良企業は権威付けに利用される~海賊版サイト」ではブランドイメージの毀損を指摘した。
日本を代表するブランドイメージを重視する大企業においては出稿先(広告を掲載するwebサイト)を厳選してきた。
そうでない著名企業もあるのだが、それが疑問だった。
なぜブランドイメージを貶めるようなサイトに広告を出すのか?
昨日のNHK「クローズアップ現代+」でその疑問が解けた。
企業は広告代理店にインターネット広告の出稿を依頼するが、その代理店は別の代理店に外注する。
外注の外注の外注という具合に何段階かの外注先が出稿先を選ぶのである。
ネット広告は成功報酬型が多い。
広告の表示回数に比例して報酬が増える。
クライアントのブランドイメージを考慮しなければ、表示回数を稼げるサイト、具体的には著作権などの権利を侵害した反社会的サイトやグレーゾーンサイトなどのアクセス数の多いサイトに出稿すればより多くの報酬を得られる。
ここまでは一部の広告代理店の悪質さの問題だが、あくどいwebサイト運営者はその上をいく。
広告を表示させない細工をしておいて表示回数を稼ぐ。
「漫画村」事件にはこんな裏事情もあった。
ネット広告の歴史は不正カウントとの戦いだが、クライアント企業の広告宣伝担当ではチェックしきれない。。
ネット広告は効果があるが、様々な不正行為によって費用対効果が不当に低い可能性がある。
だからブランドイメージを大切にする企業は出稿先を厳選する。
それはネット広告代理店の選別でもある。
(この記事は、https://hosokawa3.wordpress.com/とhttp://blog.livedoor.jp/nirvana_japan/に掲載しています)